当社では商品開発の一環として、主流の「自立式」以外に天井式輻射冷暖房の実験を東京大学生産技術研究所とともに行いました。
実験の結果、天井式の輻射式冷暖房の特性や、導入後の課題などの知見を得ることができました。
目次
研究の背景
天井式輻射冷暖房には、大きく分けて「有風」タイプと「無風」タイプの2種類があります。
健康と快適性を重視しているFUTAEDA株式会社では、「高所清掃の負担」「気流による睡眠の質の低下」「送風による感染症リスク」の観点から、有風タイプではなく無風タイプの天井式空調の実現を目指しています。
しかし、その一方で実用性に向けた課題もありました。
研究の目的
一般的な居住空間で、無風・天井・結露あり/なし型の輻射式冷暖房を準備した比較実験を行い、天井への固定方法や施工性、価格面を含めた実用性の検証を目的としました。
研究の成果
現状では、FUTAEDA株式会社として、天井式輻射冷暖房は技術的には可能ですが、販売が困難だという結論に至りました。
冷房能力を高める際に生じる結露の処理が大きな課題となり、無風にこだわると、故障のリスクとメンテナンスを最小限にするためには、輻射式パネル以外の付帯設備が必要となり、意匠との親和性やコストがかさむなどの課題が顕著になりました。
また、暖房時においては天井の輻射パネルだけでは、エアコン同様足元が冷えやすいことも要因です。
輻射パネル+除湿機の場合
周辺の湿度を下げることで結露しづらくし、パネル内を流れる水の温度を下げることができるため、冷房能力を高めることができます。但し、戸建の物件で、気密性が低い物件では、除湿をしても湿度も外部から入ってくるため、建物の気密性に依存することも確認できました。
輻射パネルのみの場合
結露しない温度で輻射パネル内の水温を設定しなければならないので、冷房能力が低くなってしまいます。もし水温を下げる場合、結露の受け皿が必要になります。
冷房能力だけで考えると、「パネル+除湿機」が良いのは明確ですが、輻射パネル以外の機器が必要になってしまうこと、除湿機が熱を発することもあるため、除湿の工夫をしないと、冷房の裏で加熱してしまう装置を置かざるをえない現象が起きてしまいます。
今後の課題・展望
本研究では、天井式輻射冷暖房の知見の蓄積ができました。
今後、FUTAEDA株式会社としては、快適な温熱環境を実現することは大切ですが、輻射式空調を導入することが目的にならないよう、天井式に限らずシンプルな形態での輻射冷暖房の開発を目指します。
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