FUTAEDA株式会社は、九州大学基幹教育院の岡本准教授とともに脳波を用いた定量化を試み、「無風状態の方がよりリラックスできる」ことが世界で初めて明らかになりました。
目次
研究の背景
輻射式冷暖房が普及する以前は、室内の温熱環境に関する定量データが乏しく、その温熱環境をどのように感じるかについてアンケートを行う定性調査がほとんどでした。
たとえば当社では、モデルルーム来場者658名に対してアンケートによる定性調査を行い、その量を担保することでより客観性を高めようと努めていました。
より客観的なエビデンスを得るため、温熱環境に対する体感を脳活動として捉え、温熱環境の差異による数値の変化を定量調査することになりました。
研究の目的
風の有無によって脳活動(脳波・心理時間・皮膚温度など)の数値データがどのように変化するかを明らかにすることを目的とし、当社モデルルームにて風の出る一般的なエアコンと風の出ない輻射式冷暖房を切り替えながら脳活動を計測・解析しました。
研究の成果
夏の冷房環境と冬の暖房環境でそれぞれ実施した結果、冷房暖房を問わず、輻射式冷暖房は一般的なエアコンに比べて脳波ガンマ波・ベータ波の振幅が低くなり、より早く時間の経過を感じる事がわかりました。
高いガンマ波は強い不安状態を反映しているとの報告※があることから、この結果は冷暖房下において無風のほうが平穏な状態でいられることを示しています。
(参考図)冷房実験と暖房実験の脳波(ガンマ波)の相対振幅(最初の実験セッションからの差を平均値±標準誤差で表示)。破線はエアコン使用時、実線は放射式冷暖房使用時。横軸は何回目の実験セッションかを表す。冷房暖房のどちらも、放射式冷暖房を使った無風状態の方が、ガンマ波の振幅が有意に小さい
世界初、冷暖房の「風」が脳活動に及ぼす影響を解明! – 九州大学(2017)
また、この論文は学術的にも認められ、学術誌『Scientific Reports』や様々なメディアにも取り上げられました。
今後の課題・展望
本研究によって、無風環境の方がストレスを感じる脳波の数値が低いこと、つまり脳科学的には無風のほうがよりリラックスできることが示唆されました。
今後は、企業の業務生産性や精神疾患など患者に対していかに寄与できるかの調査を進めていく予定です。
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