輻射式冷暖房の建築の前提条件

輻射式冷暖房の適正を判断するための建物の条件

西山 大貴

九州大学工学部卒業。輻射式冷暖房「F-CON」の製品開発や国内外の熱負荷計算業務に従事。

輻射式冷暖房を最大限活用するためには、事前の温熱環境の設計が必要です。具体的には、建物から出入りする熱を計算する熱負荷計算という工程が重要となります。

本記事では、熱負荷計算を実施する前の段階でも、輻射式冷暖房が向いているかどうか判断できる基準をご紹介します。

輻射式冷暖房の適正の判断基準

建物の温度が安定していることが重要

輻射式冷暖房を導入する際は、建物の温度が安定していることが重要です。つまり、その建物の熱の出入りを極力少なくすることがポイントです。

なぜなら、熱の出入りが少ない建物の温度は安定し、輻射式冷暖房の効果を最大限活かすことができるためです。

次章では、輻射式冷暖房の適正(向き・不向き)を判断するポイントとして、建物の温度に影響を与える要因を説明いたします。

輻射式冷暖房の導入に向いている建物

輻射式冷暖房の導入に向いている(=熱の出入りが少ない)建物の条件は下記の5つです。

  1. 断熱性の高い建物
  2. 軒がある
  3. 窓が小さい、または窓が少ない
  4. 複層ガラスがある
  5. 日射を反射させる遮光物を使っている

断熱性の高い建物

断熱性の高い建物は、建物の温度が比較的安定しているため、熱の出入りが少なく、輻射式冷暖房の効果を最大化することができます。

軒がある

軒は、ひさしで日射をカットし、外側にある廊下が二重窓のような役割を担っています。軒のあるなしで大きな違いが出てきます。軒は、温熱環境にまつわる先人の知恵ともいえます。

窓が小さい、または窓が少ない

熱の出入りは窓からのものが最も多いため、窓が小さい( or 少ない)家は、熱の出入りが少なく温度が安定している家だといえます。

複層ガラスがある

前述のとおり、熱の出入りは窓からのものが最も多いため、複層ガラスも有効です。

日射を反射させる遮光物を使っている

カーテンなどの遮光物については、日射を反射させるということが重要です。暗色だと日射を吸収してしまうため、白などの明るい色のものを選んだり、すだれやグリーンカーテンなどの外部で日射を防いだりすると効果的です。

輻射式冷暖房の導入に向いていない建物

輻射式冷暖房の導入に向いていない(=熱の出入りが多い)建物の条件は下記の6つです。

不向きな建物にも輻射式冷暖房を導入することは可能ですが、向いている物件と比較して導入コストが高額になります。

  1. 断熱性が低い、または無断熱の建物
  2. 窓が大きい、または窓が多い
  3. 特に、西側に大きな窓がある
  4. 天窓・トップライトがある
  5. トイレ・浴室に窓がある
  6. 人の出入りが多い

断熱性が低い、または無断熱の建物

断熱性の低い建物は、熱の出入りが多いため建物の温度が不安定になります。そのため、輻射式冷暖房の効果を発揮することが難しくなります。

窓が大きい、または窓が多い

熱の出入りは窓からのものが最も多いため、窓が大きいまたは多い家は、夏は暑く、冬は寒い家ということになります。

窓は採光の観点らも必要ですが、Low-Eペアガラスやトリプルガラスや真空ガラスなど性能の良いものを選ぶことが必要です。

一般的に、Low-Eガラスには2種類ありますが、南側の窓には日射透過型、東西側のマドには日射遮蔽型を使用するのがおすすめです。

特に、西側に大きな窓がある

夏場に、太陽が沈んで横から強く入ってくる日射の熱と夕方の外気温との熱が組み合わさり、相乗効果でものすごく暑くなってしまうため不向きです。リフォーム可能な場合は、西側の窓は小さくするか、いっそなくしてしまうのがおすすめです。

天窓・トップライトがある

天窓やトップライトは水平面であり、これでもかと建物に熱が入ってくるため、夏場はとても暑い家になってしまいます。温熱環境を整える上では避けるべき選択であるといえます。

トイレ・浴室に窓がある

温熱環境の視点からいえば、トイレや浴室といった狭い空間に窓を設置するということは、寒いお風呂やトイレをつくることになります。温熱環境にこだわっている住宅会社様は、間接照明を使い圧迫感無く窓やトイレを明るく見せる工夫をされています。

人の出入りが多い

当然ながら、人の出入りが多い建物は熱の出入りも多くなります。

向いていない建物に導入する際にできること

窓からの熱流入が多いため、内窓を設置することでほぼカバーできます。

とはいえ一番良いのはリフォームです。最近はリフォームでも断熱が可能になってきています。

どうしても予算が合わないときは、普段は輻射式冷暖房で、真夏や真冬はエアコン併用というケースもあります。

まとめ

エアコンと比較して、輻射式冷暖房は導入前の温熱環境の設計が必要であり、その設計・計算が導入ハードルを高める一番の難所でもあります。

そこで、FUTAEDA株式会社では輻射式冷暖房を導入検討されている企業様へ、無料で温熱環境コンサルティングを承っております。

  • 輻射式冷暖房を検討したいが、有効活用できるかわからない
  • 輻射式冷暖房を導入したいが、どのメーカーにすべきか判断できない
  • 熱負荷計算など、事前の温熱環境設計に関する知見が無い

上記のような課題やお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。

自社研究施設を持ち、数値的根拠を重視して研究開発に臨む当社ならではの知見で、より良い空間づくりをサポートいたします。

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